前回、「CSの良い店舗や窓口=業績が良い店舗や窓口ではない」「お客様の立場に立つレベルでサービスを提供したら、サービスの質は落ちる」とコンサルティング会社らしからぬ意見を書かせていただきました。
では、どういうことかといいますと、「お客様の立場に立つ」ということは「お客様の期待を上回る」ということなのです。
「お客様の期待」とは何か、それは「事前期待」でしょう。そのお店に行く前に期待しているレベル、口コミで聞いた話から持った期待レベル、HPを見た印象での期待レベルと様々です。
行政の研修や調査を行わせて頂くと、正直(行政の皆さますみません)事前期待は低いです。滅多に行きませんし、用がある箇所しか行きません。
「お役所仕事」を想像しているので期待はほとんどありません。そのお客様の期待に沿っていれば良いのであれば、職員の方々から「民間のようなCSは役所には必要ない」という意見が出るのは当然でしょう。
先日、国内線でプロペラ機に乗りました。プロペラ機で、しかも60人乗り位の小さな飛行機でした。飛び立つのもパタパタと離陸するのかなーなどと余計なことを考えておりました。全員が席に着き、フライトアテンダントの方が「皆さま―」とアナウンスをなさっていました。ちなみに、マイクを横にしてお話しているのは不思議ではありませんか? しかも、口を近づけて、決して明瞭な声とは言い難い。聞き取りにくい! まあ大事なことなら一人一人に声かけをするだろうと思っているので、聞き流しているだけの方も多いと思います。実は「お客様の耳元で囁くように話す」というコンセプトがあるのです。
そのフライトアテンダントの方が、話し終わってマイクをもとに戻す際に、実に見事な動作で、お客様側に笑顔を向けつつ、後ろを見ることなく一発でマイクを備え付けの場所に戻したんです!感心しました。そして、こういうベテランの方がいる飛行機ならば安全なんだと思ってしまったんですね。
お客様からすれば、後ろを振り返ってマイクをもとに戻しても何の不思議に思わないと思います。でも、徹底的に動きを訓練された動きがプロを感じさせ、安心を生み出す良い例を目の当たりにしました。
行政のみなさんもプロです。CSを丁寧で感じの良い応対に留まらせずに、もう一歩踏み込んで、安心を感じて頂く、この町に住んで良かったと思って頂くために、自分たちの行動を変えると捉えてみたらいかがでしょうか。
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